WWⅡ後にソ連で開発された機関拳銃、スチェッキンAPS拳銃を紹介

スポンサーリンク
現代の装備や兵器の解説
スポンサーリンク
スポンサーリンク

スチェッキンAPS拳銃の概要

ソ連で作られた機関ピストル

それまでの古くからのソ連の主力拳銃トカレフの交代品として開発されたのはマカロフPMだったが、携帯性を保ちつつ素早く強力な火力を叩きこむために作られた機関拳銃がスチェッキン機関拳銃だ。

スチェッキン・マシンピストル(露:Автоматический пистолет Стечкина(Avtomaticheskij Pistolet Stechkina:ステーチキン式全自動拳銃)

が正式名称だ。

1948年に開発が開始され、翌年にプロトタイプが開発され改良と実戦テストを重ね、1951年から配備され始めた。

スチェッキンAPS拳銃の特徴

モーゼルC96と同様に、反動を制御するための着脱式のホルスター兼用のバットがついている。

ステツキーンは将校(主に実戦性が高い小隊〜中隊長級)、副士官、車両乗員と砲兵、対戦車グレネードランチャー射手、重機関銃射手など主武装を持たないor副武装が要求される職務を持つ兵士たちにPDW(個人防御兵器)用に支給され、装弾数が少なく威力が足りないマカロフより高い性能を出すことが期待された。

ただ、実際に使ってみた結果、いくつかの問題点が明らかになった。

まず、銃自体が拳銃の規格としてはかなり大きかった為に携帯性があまりよくなかった。

そして自動射撃により反動がひどく、グリップも握り心地が悪く慣れるまでに時間がかかり、迅速に射撃することも容易ではないとの評価を受けた。そのため練度も低い一般将兵たち用の拳銃としては、不必要に重く大きく使用することも難しい非効率的な武器として捉えられてしまったんだ。

結局、ライフルの火力を持ちながらも、携帯性の問題や、より良いAKMS、AKS-74、AKS-74Uが登場したこともあり、ステツキーンは1958年には生産が中止されてしまった。

ロシアの特殊部隊スペツナズにとって20発もの装弾数を持ち高火力と命中率を備えたステツキーンがかなり魅力的な武器であった。これらの特殊部隊は実戦に投入されることが正規軍よりも多く、射撃訓練も多くするため、熟練度の面でも問題がなかったんだ。

KGBとGRUのようないくつかの諜報機関で継続的に使用され、1972年からはまったく特殊部隊専用になり、銃身を21mm増やしサイレンサーを装着して、脱着可能なワイヤー型バットと既存の重くて大きいホルスターの代わりに革ホルスターを備えAPBが生産され、ソ連-アフガン戦争などでスペツナズのよる好評を受け、広く使われた。

そうするうちに80〜90年代に増加する犯罪に対応するため、内務省などでは、マカロフPMよりも強力な武器を要求することになり、ここでステツキーンな選択肢がなかったの再び光を見るようになった。近接戦に優れた性能で、現在もOMON、SOBRなど内務省所属警察特攻隊、FSB、法務部などで使用されており、ロシア軍でも捜索隊などが着実に使用している。その他旧ソ連国とは、いくつかの供与受けた過去のワルシャワ条約機構諸国でも少数が使われている。追加の生産はありませんがそもそも完全な力で普及しようと作っただけ良質のステツキン在庫が多数残っているので、しばらく消えることはないだろう。

スチェッキンに関する余談

  • 製作者イゴール・ステツキーンはソ連時代の銃の開発者だ。彼の作品は、大ヒットするものはなかったが、主に特殊部隊やセキュリティ会社などで着実に使用されている。余談だが、このおっさんは自分が作った銃を貶めている人がいれば、その場で銃を取り出し天井を撃ったという

現在まで使われているが、開発されてから半世紀が過ぎたせいで旧世界の技術がされているステツキーンを交換するためにOTs-33ペルナチスという自動拳銃が開発された。この銃もイゴール・ステツキーンの作品である。同様に9x18mmマカロフ弾丸を使用する。

スチェッキン機関拳銃が擬人化したら(ドールズフロントライン)

ドールズフロントラインというスマホゲームに登場するスチェッキンだ。

めっちゃマイナーな拳銃なのに、凄いよな。