中世以前から世界中で愛用された投石具の強さとその有用性を解説!

中世、古代の装備や兵器の解説

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今回は古代から近代以前まで戦場で大活躍した投石具(スリング)についての記事だ。投石具、スリング、投石紐とも呼ばれるな。

攻城兵器に使われた投石器とは別ものであり、投石具は手で使う歩兵武器だ。

攻城兵器の投石器についてはこの記事を読んでくれ

ただ石を投げるだけと思われがちだが、その威力は中世の甲冑を着た騎士相手にもかなり有用なものであった。今回は投石具の威力とその有用性にクローズアップして記事を書いていくので、期待してくれ。

ちなみに投石具というのはハンマー投げのような投げ方はしない。投げ方や作り方、歴史については別の記事で紹介するが、この記事に投石具を使用している動画があるから参考にしてくれ。

強すぎる投石具の威力

熟練者が振り回す透析具の威力はパッと想像できる以上のものだ。当たれば最低でも骨折や重度の内部出血。もし直に頭に当たれば即死させることも可能である。

貫通兵器ではなく打撃兵器であるため、厚い兜や鎧などの防具を備えている場合でもかなりの効果が期待できる。そのため、たとえ非熟練者が投げても、効果的な攻撃手段になりうる可能性があることを覚えておけよ。

現代の日本で透析具を使っての投石なんて超危険だから絶対にやめてくれよ? 少なくとも、絶対に自分しかいないと確信できる場所以外ではやめてくれ。

素手で投石した場合の威力

素手で石を投げるのもその効果は十分に恐ろしい。透析具が普及していなかった地域でも投石は戦いの常とう手段だった。戦国時代の防衛線とかで用意しておいた石を敵にぶつけたりするのよく見るよな。

それに長い間、デモ隊が愛用(?)してきた武器でもある。各国の警察の間では火炎瓶に並ぶか、それ以上に恐ろしい存在と認知されているだけに非常に強力な攻撃手段と言える。

ん?どう考えても火炎瓶の方が強いじゃないかって?

確かに火炎瓶は当たれば重症間違いなしなので確実に脅威だが、飛んでくる様子が(特に夜は)広々と見えるので避けるのは思うほど難しくはない(あくまで統率のとれた警官にとって)。しかし投石は非常に近い場所に飛んで来るまでは軌道を見分けるのが難しく、夕方や夜間だと不可能に近い。そしてコンクリートの床に当たって跳ねたり転がる石の威力もすねの骨一つひびを入れるくらいには十分脅威である。

本題の投石具を使っての投石に話を戻そう。素手での投石の威力がそこまでなら、透析区のようなツールを使用して投げたらどこまで威力は上げるのだろうか?

明らかにアマチュアの、若くないおじさんが投げるものであっても

  • 弾丸の速度は時速140km以上
  • ギネスブックの投石飛距離の世界記録は477m。距離をイメージするならば、プロゴルファーたちが集まって競った長距離ドライバーショットのギネスブックの記録が560mである。最高の体力を持ったプロゴルフ選手が先端科学が総動員された長い棒で空気力学的に作られたゴルフボールを打って叩き出した飛距離と古典的なツールである投石具の飛距離にそこまで差が出ないということは、かなり驚くべきことだ。

歴史上の投石具の驚異的な威力

長い歴史の中で数多く存在していた投石具を使う兵士の中でも特に強力とされていたのが古代ギリシアのロードス島に存在したロードス投石紐兵とバレアレス諸島のバレアス投石紐兵だ。

バレアレス諸島の戦場での投石具の「有効射程」は200m以上であり、最大400m以上に達したという。シケリアのディオドロスの記録には「彼らの投石はどの投石兵よりも多くの弾を敵に浴びせ、射程距離は非常に長く、まるでカタパルトから発射された石のようにその威力は絶大であった。この記述は彼らの尋常でない威力の投石が、楯や甲冑などの武具を破壊できた」と書かれている。更に驚くべきは彼らの投石命中率であり、ほぼ100%の命中率だったのだという。

また、アテネのクセノフォン(クセノポン)は、自分が書いた本「小アジア遠征期」で赤ちゃんの頭ほどの石を投げるロードス投石紐兵の射程距離が拳ほどの石を投げるペルシャ投石兵の2倍に達すると記録した(小アジア遠征期3.3.16〜17)。更にクセノフォンの言葉によると、弓の有効射程は90m、複合弓は147m、ペルシャ弓は100mだったとされているが、ロードス投石紐兵の投石飛距離はその二倍以上だったという。つまり、敵の射程外から一方的に攻撃することができたという事だ。

旧約聖書ではダビデが投石具を使って巨人ゴリアテ(約2.9メートル)を倒したとされており、現代人は「小さな小石でどのように巨人を殺すのか」とこれ自体を奇跡的に思う人が多いが、実際の投石具の威力を知ることでそこまで不思議なこともなくなるだろう。ゴリアテがいくら体が大きく力が強いといっても人間という設定なので透析具から放たれた石によって気絶するのは簡単な事だろう。

これを勘案すると、聖書のその一節は、ダビデの力強さや神の奇跡がポイントではなく、ダビデの勇猛さを称賛するエピソードでなければならない。

鎧相手にも十分な威力を発揮する

また、序盤に話した鎧を装備した相手への効果であるが、即死は無理でも衝撃に起因する戦闘不能になるほどの被害は十分与えられる。プレートメイルの防御性能に関しては別の記事で紹介予定だが、高速で飛んでくる投石具から放たれた石やウォーハンマーなどが当たる鎧自体は持ちこたえることができても、その影響のために鎧の下にある人体に重傷をもたらすことができる。

そして、実際の戦場で時速100キロ台の速度で飛んできた石によって兵士が倒れていればその後ろに飛んでくるのはより確実な殺傷力を持つロングボウの矢や相手の騎士、歩兵である。ロングボウがいくら鎧に弾かれるとはいっても、寝ている兵士を殺せないほど弱くはないのだ。

最強クラスの弓、ロングボウについての記事も読んでくれよな

どのような状況であっても、絶対に暴力を振るうのために用いてはならない。投石具は槍、剣、弓に決して劣らない厳然たる軍事兵器であった。

投石具は誰でも簡単に使える

これまでに紹介した威力に加えて投石具もう一つの利点は、これほどの威力に比べて肩の力のような肉体的な条件をあまり必要としないという点だ。もちろん、肩が強く腕が長いほど有利になるのは当然で、このような人々は専門の兵士になるのに十分だろうがおばあちゃんや子供が振り回す投石具でもその威力が大きく落ちることはない。

バドミントンができるほどの腕力と要領さえあれば、瞬間的に大きな加速度を得るには十分だからだ。この点は弓よりも優れている点であり、安定的に投石兵を供給できる。

古代、特にローマ軍に多くの投石兵を供給していたバレアレス諸島は、スペイン・バルセロナ南約150〜200kmの海上の4つの島。今では、ヨーロッパの休養名所の一つだ。さっきも出てきたな。

その中の一つである「イビサ島」では、今でも年中頻繁に青年、壮年、中年、祖母、子供を問わず、住民が集まって投石具の大会を開く。そして、その威力は年齢による差はあまりないという。透析区で「筋力」がそのように決定的な要素ではないからである。この点は、趣味としての利点にもなるよな。ここの島で騒ぎを起こそうものなら、老人にも袋叩きにされてしまう……。恐ろしい!

投石具の有用性のまとめ

ここまでの説明を読んでくれれば、なぜ古代から比較的近代まで投石具が古今東西を問わず存在してきたのかが分かるだろう。簡単な訓練でも攻撃させることができ、その破壊力は熟練度やかかるコストに比べて驚くほど優れていたからである。

バレアレス諸島やロードス島のように初めから地方単位で訓練しなくても、比較的素人が放った石でも遠く離れた重騎兵に当たったときでも大きな効果が期待でき、農耕社会でも簡単な狩猟や護身用に慣れやすいものとして集中的な訓練をしなくても十分な戦力になれたのだ。

簡単に言えば、遠距離用の竹やり、前近代のAK-47のような誰でも使うことができ、誰が使ってもそれなりの戦果を挙げられる低コストで高効率の民衆の武器だったからだ。

また、投石具は非常にエネルギー効率の高い投射手段である。野球のように腕と肩を勢いよく振り回す動作は何十回繰り返すとすぐに体力が落ちてしまい、野球の投手を見れば分かるように肩や肘に永久的な損傷を受けることもある。

しかし、投石具はこれに比べれば、はるかにスムーズに使うことができるものである。姿勢の修正さえ行えば、3時間でも4時間でも続けて放つことができる。それも戦場で愛された秘訣の一つ。

なお、何度も言うが簡単に再現できる武器だけにうかつに真似をしないことをお願いしたい。

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